[レポート] 11/12(土) 風の森学び舎〜風と水の流れる森づくり

小渕の山で、大地の再生士 藤井麻紀子さん(大地の再生 関東甲信越)による講座を行いました。

目次

コンクリート施工と水と空気の関係

天気は快晴。

11月とは思えない暖かさに恵まれ、いつも通り座学からスタート。

至るところで見る、コンクリートを使った崖面や法面の施工、U字側溝や3面張り河川など。

これらコンクリートと土中の水と空気の関係を話していただきました。

コンクリートで覆われた土は、水と空気が詰まって劣化(腐る)していきます。

また、土に限らず、水と空気が動いていないところのコンクリートは劣化も早くなるようです。

水は渦を巻いて曲線的に動くもの。

川が蛇行しているのは水が渦を巻きながら動いているから。

現代のU字側溝や3面張りは直線的で、水の動きを妨げる。

また、降った雨を地中に浸透させずに海まで一気に流す構造になっています。

直線的に流すと、水量が増えたときに勢いを増して周辺へ破壊を生んでしまう。

周辺にある栄養も引っ張り、海まで流していってしまうようです。

大地の再生では、これらの水路をどのように改善していくかを常に考えているとのこと。

利便性を求めてきた結果、大地や自然を傷め続けているのが現代。

持続可能な社会を考えると、大地の環境改善に取り組むことは将来に向けてとても大事なことであることを再認識しました。

広場の整備

これまでの講座や作業では、主に広場の上の方(北側)を整えてきました。

一方、入口の方(南側)はあまり手をつけておらず、篠竹が生い茂り空気の詰まりがあるため、この部分の風の草刈りと水脈作りからスタートしました。

この篠竹、根っこから切りません。

笹や竹が繁茂するところは根が張りにくいところであり、彼らが水や空気を抜いてくれるので根こそぎ切ってはいけないとのこと。

風が払うイメージで切っていくことで、段々とサイズが小さくなっていき、その地の環境が合わなくなってくれば、植生自体が変わっていくようです。

草刈りの後は斜面境界線に水脈を掘り、人の通る道から沢まで繋げます。

その場の状態を感じながら、掘れるところを探しながら脈を作ります。

掘った後は、炭を入れます。

空気に触れるようにパラパラと。

籾殻薫炭は、湿度の調整に使われるので、掘った土の上に叩くように撒きます。

水脈の途中、数メートルピッチで点穴を掘りました。

この場所は湿り気が多いよう。

湿地は枝木を入れすぎると詰まるので、ここは隙間を多めにした点穴に。

逆に乾燥した場所には、枝木を多めに入れてら水と空気が抜けすぎないようにします。

笹や竹は繊維質で水と空気を通しやすいので、水脈や点穴を支えるものとして用いました。

この土地が何に合っているのは、その土地が教えてくれる。

人はやりたいことを先に考えるが、それは元環境を無視した形なので朽ちるのが早い。

先人がどのようにこの場所と向き合い、この場所が何をしてくれるのかを感じていくことが大切。

藤井さん

今後も作業を続けていく上で持ち続けたい視点です。

棚田後の整備

午後は棚田を開く作業です。

昔の人が石を積んで作った棚田も薮で荒れているので、一枚ずつ草を刈り、水を抜くための水脈を掘ってきました。

あと数枚上がっていくと、溜池の跡地に到達します。

今回も全体の草を刈りつつ、水脈を通して沢まで水が流れるようにしました。

斜面地には人が登り降りしやすく、かつ踏み固めないように土留めの段を作りました。

ここには点穴も開けて空気の抜きも施します。

日が入らなくなったので、作業を終わらせて撤収。

当初の目標にしていた溜池の石垣が見えるところまで来ました。

次回は作業DAY、12/4(日)に開催します。

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今年最後の作業となります。

皆さまのご参加お待ちしています!

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